みんなで在来種・固定種野菜を育てませんか?
在来種野菜とは、その土地に根付いて昔から種が繋がれてきた野菜のことです。固定種とは種の性質が固定され、種採りをして種を蒔けば前の世代と同じ性質の作物ができるもので、在来種も固定種の一種です。
種採りをしてその種を蒔き、何代も栽培を繰り返していくことで、徐々にその土地に合ったものに変化していきます。 元々は同じ種でも、火山灰の土地で育って甘くなったり、海の近くで育ってミネラル豊富な作物になっていったりしたものもあるようです。
昔、ある地域から伝わった在来種野菜が、現在、伝わった地域の伝統野菜となっているものも数多くあります。例えば、島根県の津田かぶ、愛媛県の伊予緋かぶは、滋賀県の日野菜が伝わってそれぞれの土地で変化したものだそうです。 日本の最古のかぼちゃはポルトガルから伝わりました。外国から伝わったものや、国内でも、参勤交代で持ち帰って、そこから種を繋いできたものもあります。
人間が生まれるずっと昔から種はこの世に存在し、ずっと昔から昭和30年代頃、第二次世界大戦後しばらくまでは、日本で流通するほとんどの野菜が在来種野菜や固定種野菜で、種採りをするのが当たり前でした。しかし、現在、市場に流通している在来種野菜、固定種野菜は非常に少なく、消滅の危機にあるものもあります。
市場に出ている多くはF1種という、交配した第一世代、かつ、一代限りの種で、発芽時期や生育期間が揃うため、栽培、収穫しやすいメリットがあり、 食料自給率の低くなった日本で、多くの消費者の需要に応えることができる反面、 種採りをして種を蒔いても、同じように作物ができない、子孫が残せない種であるというデメリットもあります。
販売されている種子の多くは消毒されています。アレルギーやアトピー、化学物質過敏症の方は、種子の消毒に反応してしまうこともあるようです。 販売されている固定種の種は無消毒やオーガニックのものが多いですが、それでも野菜の種類によっては無消毒やオーガニックの種子を選べないこともあります。 種採りして種を繋ぐことで無消毒の種子を確実に手にすることができます。
販売されている種子の生産地を確認してみてください。生産地が外国のものが多いことに驚かれることでしょう。 気候変動や植物の伝染病、蝗害等によって、ある作物が全滅してしまうことも、今後の可能性としてゼロではありません。アイルランドのジャガイモ飢饉は、1845年に実際に起こりました。 転ばぬ先の杖、多様性を守っていくことは大切なことです。
しかしながら、栽培や収穫に手間がかかる在来種野菜、固定種野菜を、農家さんが栽培することは、とても大変なことです。
家庭菜園では特に、形がバラバラでも、安全で栄養があって美味しければ全く問題無いと思いますし、収穫の時期が揃わないことは、長期間少しずつ収穫出来て、家庭菜園ではメリットにもなると思います。 何より、在来種・固定種野菜は味が濃くてエネルギッシュで美味しいのです。
食糧危機や、もしもの時に備えるために、また、昔から続いてきた日本の文化でもある在来種野菜を守っていくためにも、みんなで家庭菜園で、在来種野菜、固定種野菜を育て、種採りをして、未来へ繋げていきませんか?
また、在来種野菜栽培されていたり、生態系を守って自然環境に配慮した栽培法で栽培されている農家さん、在来種野菜や固定種野菜の種を繋いでいる種苗店さん、在来種や伝統野菜をお料理の主役にされているレストランを、みんなで応援していきませんか?
※2020年秋、国会で、虚偽説明や矛盾が指摘される中、短時間の審議で多数決で強引に、種苗法は改正されてしまいました。 そして、改正後すぐに、ゲノム編集のトマトの実用化が発表されました。 今回の種苗法改正で種苗表示が強化されたにも関わらず、ゲノムの表示義務は無く、今後、気づかないうちにゲノムの種を蒔いていた、ということも起こりかねない状況です。
今のところ、在来種の自家採種の制限はなく、さらに元々、趣味や自家消費目的での家庭菜園における制限はありませんが、今後もずっと大丈夫という保証はありません。
多くの一般市民が、自分で育てて種を守り、常に関心を持ち続けていくことが大事だと思います。
在来種を守る法律も今はまだありません。
既に廃止されてしまった種子法や新たに設立された農業競争力強化支援法と共に、今後、農業に携わる方々や私たち消費者に大きなダメージを与えると言われている種苗法改正につきましては、是非下記をご一読ください。
今月蒔き時の野菜の種
「固定種」や「種採りができる」と書かれているもの、また、出来る限り「種子消毒無し」や「有機種子」や「オーガニック」と書かれている種を選んで育てましょう。
- 黒小町2~4月
- 紫御前2~4月
- 在来青ナス2~4月
- 信越水ナス2~4月
- 自農丸ナス2~4月
- 針種ほうれん草2~4月
- カーボロネロ/黒キャベツ2〜3月
- 泉州水系茄子2~6月
- 橘田中長茄子2~6月
- 信越水茄子2~4月
- 在来青なす2~4月
- 久留米長茄子2~6月
- 仙台長茄子2~6月
- 小茄子 民田2~6月
- 出羽小茄子2~6月
- ローザビアンカ2~6月
- 白なす2~7月
- 飛騨南瓜2~6月
- 小菊南瓜2~6月
- 勝間南瓜2~7月
- 日向14号南瓜2~6月
- 芳香青皮栗南瓜(東京南瓜)2~6月
- 黒皮甘栗南瓜2~6月
- 会津早生南瓜2~6月
- 打木甘栗南瓜2~6月
- 鹿ヶ谷南瓜2~6月
- 沖縄島南瓜ひょうたん型2~6月
- 沖縄島南瓜丸型2~6月
- バターナッツ2~6月
- そうめん南瓜2~6月
- ハロウィン南瓜2~6月
- つるくびズッキーニ2~6月
- 紅芯五寸にんじん1~12月
- 子安三寸にんじん1~3月
- てがるごぼう2~6月
- 渡辺早生ごぼう2~2月
- やまごぼう1~3月
- 早生今市小かぶ1~6月
- みやま早生小かぶ1~6月
- 時無し小かぶ1~6月
- 寄居かぶ1~4月
- 天王寺かぶ1~4月
- 日野菜1~4月
- 味こがね1~5月
- ルタバカ1~6月
- 理想覆下小かぶ1~6月
- 理想金町小かぶ1~6月
- 四葉胡瓜2~8月
- 加賀太胡瓜2~7月
- ししとう1~6月
- 伏見甘長1~6月
- ひもとうがらし1~6月
- 紫とうがらし1~6月
- 浜クロピー1~6月
- ノーベルほうれん草2~6月
- 豊葉ほうれん草2~4月
- オリンピア2~4月
- みずさわ2~3月
在来種・固定種の種が買える全国の種屋さん
※自然環境や食の安全、種の多様性が大切にされた、体に良く栄養価も高い美味しいお野菜がもっともっと世の中に広まってほしいという気持ちで勝手に作っていますので、サイト内でリンクを貼らせていただいている種苗店さん、農家さん、レストランに対して掲載費など何かしらの対価を求めることは一切ありません。
栽培する場所を借りる
自然栽培とは
農薬や肥料を一切使用せず、土や微生物などの自然の力で野菜を栽培する栽培法。